キオクシアの岩手北上に新工場建設が報道されました。四日市のY7工場に続いての大型投資案件です。
工場の総工費2兆円ともいわれる大型半導体工場の建設となりますが、求人や採用はどうなるのでしょうか?
岩手北上に建設されるキオクシアの半導体工場の求人や採用について解説します。
国内はTSMCやマイクロンなど半導体工場の建設ラッシュですが、キオクシアの半導体工場はいつから、どういった規模となるのか?日本の半導体事業を占う1つの指標になります。
この記事はこんな方におすすめです。
- キオクシアの半導体工場の求人や採用が気になる方
- 岩手北上に建設される半導体工場が気になる方
- 国内の半導体工場建設が気になる方
キオクシアの岩手北上の新工場は通称『K2』
キオクシアが岩手北上に半導体の新工場の建設を開始すると報道がありました。既に土地取得などの発表はキオクシアから出されていましたが、半導体工場の建設開始は報道がありませんでした。
グローバル社会における技術革新により、膨大なデジタルデータの生成、蓄積、活用が加速しています。更には、クラウドサービス、5Gサービス、IoT、AI、自動運転などの普及により、今後もフラッシュメモリ市場は中長期的な拡大が見込まれます。敷地を拡張することで北上工場2番目となる製造棟(K2)の建設に備えます。土地取得の後、2021年春から整備工事に着手し2022年春を目途に整備を完了する予定です。K2の建設時期、生産能力など具体的な計画については、市場動向を見極めながら検討してまいります。
引用元:キオクシア株式会社(https://about.kioxia.com/ja-jp/news/2020/20201209-1.html)
新規半導体工場の建設時期については、時期を探るという報道でしたが、今回、新聞に『2022年春に2棟目建設』の報道がなされました。新しい半導体工場は通称『K2』です。
岩手北上の2棟目の工場だからK2だよ。四日市の工場は『Y〇←数字』という通称です。
K2の規模は既存半導体工場K1の『2倍』
キオクシアの岩手北上の半導体工場K2の規模は、既にあるK1の2倍の規模と言われています。
キオクシアが半導体工場に建設する際に岩手県に提出したデータでは、『K1』は敷地面積199,500平方メートルとなっています。建物は50メートルで5階建ての建物です。
新しく建設される半導体工場『K2』は、敷地面積217,140平方メートルとなっており、建物の高さは66メートルです。
敷地面積だけ比較すると2倍にはなってないね。
キオクシアの岩手北上の半導体新工場に関する情報は、この先、明らかになってくると思われます。工事を1期・2期と分ける方法もあり、K2については、増産のメドが付き次第、建屋を更に大きくするというケースも考えられます。
K2の操業開始は2024年春
キオクシアの岩手北上の半導体新工場は、2022年から建設開始となる見込みです。そこからおよそ2年後の2024年春に操業開始とされています。
国内では、熊本県の菊陽町に建設が決まったTSMCの半導体工場が話題ですが、こちらも操業開始は2024年です。つまり、2024年は北(キオクシア岩手北上)でも南(TSMC熊本菊陽町)でも工場の操業ラッシュと言えます。
K2建設のゼネコンはやっぱり清水建設?
大きな工場の建設となれば、気になるのが『どこのゼネコンが担当するのか?』です。
キオクシアの岩手北上の半導体新工場は、2兆円の規模と言われており、担当するゼネコンにとっては大きな売り上げになることは間違いありません。
既にキオクシアは岩手北上に『K1』と呼ばれる半導体工場がありますが、こちらは清水建設が担当しています。実績の面から鑑みれば、K2の担当ゼネコンも清水建設が有力候補の1つと見て間違いありません。
一方で、キオクシアは四日市にも半導体工場を保有しており、2021年12月現在、通称『Y7』と呼ばれる工場を建設中です。こちらは2022年春に稼働開始となるようですが、こちらの半導体工場の建設を担当しているのは、『鹿島建設』です。
鹿島建設も当然『K2』建設の担当を狙っているゼネコンでは?
清水建設・鹿島建設が最有力と考えられそうですが、それ以外のゼネコンについても黙っていないでしょう。TSMCの半導体工場建設と併せ、どこのゼネコンが担当するのか気になるところです。
キオクシアの岩手北上に『2000人以上』の雇用創出
キオクシアの岩手北上に半導体新工場が建設されると報道され始めた当初は、新たな雇用として『1000人規模』と言われていました。
これはK2がK1と同規模の場合という前提でした。
K2は、既にK1の2倍の規模であるため、雇用創出も2倍、『2000人以上』の規模の雇用が創出される見込みです。
この2000人以上の雇用創出は、あくまでキオクシアの岩手北上の半導体新工場についてであり、その周辺企業への雇用創出も同時に発生します。
最終的には、北上に新たに発生する求人としては、『4000人規模』が新たに創出されるのではないでしょうか。半導体工場の稼働には、その半導体工場の従業員の他、多くの関連会社による協力が必須となります。
熊本菊陽町に建設されるTSMCの半導体工場でも、TSMC単体で『1500人』程度の雇用創出、関係会社も含めれば『3000人』もの雇用が創出されると言われています。
2000人の求人をキオクシアは集められるか?
『箱があっても動かす人がいない』
人材不足に悩む業界では、しばしばこんなワードが飛びかうことがあります。箱というのは、(工場や設備)のことで、物だけあっても人がいなければ製造出来ないということを示しています。
キオクシアが岩手北上に半導体の新工場を建設し、2024年から操業するためには、人材もまた必須だということです。
2000人以上、周辺会社も含めれば4000人規模の求人にどれぐらいの人が集まるのか?
これが今後の1つの焦点となるでしょう。
岩手北上の現地採用はもちろんのこと、全国に求人が発表され、全国から人が集められることになるはずです。半導体業界で働きたい人にとっては、新卒も中途採用の方にもチャンスの時期であることに間違いありません。
気になる方はキオクシアの求人を探してみてね。
求人のライバルはTSMC
2000人の求人を集める上でキオクシアにとっては、最大の懸念点がライバル『TSMC』の存在です。
キオクシア同様、TSMCもまた工場稼働に向けて人材が必要です。
キオクシア、TSMCどちらも半導体新工場の稼働は2024年春となっています。つまり、求人を出し、必要人員を集める期間はほぼ同じであると言えます。
岩手北上と熊本菊陽町と地域が異なるものの、人材の取り合いが起きるのは間違いないでしょう。どちらがより優秀な人材が多く確保出来るのか?工場稼働開始前の前哨戦は既に始まっていると言えるでしょう。
熊本では、TMSCの半導体工場建設を見据え、熊本大学が半導体分野における新センターの設立を発表しました。ここから多くの人材がTSMCに行くことになるでしょう。TSMCの中には出身大学が熊本大学という人が増えていきそうです。
岩手北上では、そういった動きはまだありませんが、東北には東北大学を始めとして数多くの大学があります。キオクシアの半導体工場建設を受けて、熊本大学と同じような動きを取る大学があるかもしれません。
キオクシア、TSMCに続けば活況も?
国内の半導体工場建設ですが、キオクシア、TSMCの他、広島のマイクロンなど工場投資の話題が事欠かない状況です。かつて国内メーカーが半導体業界を席巻していた頃には程遠いですが、活況へとつながる可能性も秘めています。
半導体の中でもセンサーではソニー、パワー半導体では三菱電機など上位に食い込んでいる分野もあります。
どうしても半導体というと、TSMCが主戦場としているロジックやキオクシアのメモリが有名ですが、それ以外の半導体分野では、日本の技術力も決して負けてはいないのです。
今後、自動運転や電気自動車の普及が進むにつれ、センサーやパワー半導体の需要はますます増えていきます。そうなれば、国内の半導体の活況が進むのではないでしょうか。
もちろんキオクシアにもメモリ分野で頑張って欲しいね。
キオクシアの岩手北上の求人まとめ
キオクシアが岩手北上に半導体の新工場を建設することが報道されました。規模は既存の半導体工場『K1』の2倍の規模であり、2000人以上の雇用が創出される見込みです。
地元にとっては嬉しい影響となることは間違いないですが、TSMCも同時期に同程度の人材を確保する必要があり、キオクシアと優秀な人材の取り合いが勃発することは間違いありません。
半導体では、ロジック(TSMC)とメモリ(キオクシア)で分野が異なる両者ですが、人材獲得においては激しい火花を散らすことは間違いなさそうです。
コメント