なぜTSMCは熊本に半導体工場を建設したのか?
実は日本の中でも熊本は半導体工場建設に適している条件が揃っています。
それを目当てにTSMCが日本の中で熊本を進出先に選びました。
今回、この記事ではTSMCが熊本を選んだ理由を解説したいと思います。
TSMCの熊本進出で盛り上がる半導体業界ですが、なぜTSMCが熊本に進出したのか?
ここで一度、抑えておきましょう。
この記事からこんなことが分かります。
- TSMCが熊本を選んだ理由が分かる
- 熊本が半導体工場に向いている理由が分かる
- 今後の半導体事情が予測出来る
TSMCが熊本を選んだ理由
TSMCが熊本を選んだ理由は大きく2つあります。
『水』と『国内メーカー』です。
半導体の製造にはたくさんの水が必要です。製造過程で何度も洗浄が必要であり、多くの水を消費するためです。更に半導体の性能が向上するにつれて、必要な水は今後もどんどん多くなります。
そのため、半導体工場を建てる上では水資源が豊富であることが条件であり、熊本にはこの水資源が豊富にあるのです。
実際、TSMCのある台湾では、水不足によって製造停止が毎年、危ぶまれています。
熊本であれば、資源が豊富であるため心配は要りません。そのため、熊本をはじめ九州は昔から半導体メーカーが多数、進出しており、今でも数多くのメーカーが九州で活躍しています。
【九州シリコンアイランド】とも呼ばれているよ。
半導体メーカーの存在
TSMCが熊本を選んだもう1つの理由が、半導体関連メーカーの存在です。
TSMCは半導体の製造を担うメーカーですが、実際、半導体の製造は1つの会社だけでは成り立ちません。製造メーカーや原料メーカーなど数多くの企業が協力して半導体は製造されます。
そのため、半導体製造工場を建てる条件として、水と同じくらい半導体関連メーカーの存在は重要です。九州には多くの半導体関連メーカーがあり、今回、TSMCと手を組んだソニーも自社の半導体製造工場があります。
こういった点からも九州、熊本は半導体工場の建設地としては非常に適していたわけです。
台湾との距離も考慮された!?
TSMCが熊本を選んだ理由として、水資源と国内メーカーの存在の他、台湾との距離も考慮されたのではないかと言われています。
熊本工場が完成した際には、稼働のために多くの台湾の方が海を越えてやってくることになります。
その際、熊本であれば台湾からも近く、行き来の負担も少なくなります。
働く方からしてみれば、台湾から遠くの地よりも、目と鼻の先である熊本に工場があった方が何かと便利なことは間違いないですよね。
TSMCに続くメーカーはあるのか?
TSMCが熊本に進出を決めたことで大きく盛り上がりを見せている半導体業界ですが、残念ながらTSMC以降、熊本での大きな投資話は聞きません。
日本には、新たに進出するほどのメリットが少ないというのが現実でしょう。
ただし、既にある製造メーカー、キオクシアやマイクロンなどでは工場建設の話題が絶えず、今後も国内全体で見れば半導体は成長の一途にあると言えます。
また、TSMCのような半導体製造メーカーの進出はなくても、TSMCと協業するメーカーは九州に進出すると見られおり、今後、九州がますます盛り上がることは間違いありません。
TSMCが熊本を選んだ理由まとめ
TSMCが熊本を選んだのは、『水』と『国内メーカー』の存在です。
特に半導体製造に大量に使用される水は重要であり、今後も熊本の豊富な資源を求めて新たな半導体製造メーカーが進出する可能性もゼロではありません。
まずは、2024年に操業が開始されるTSMCの半導体工場に期待を寄せつつ、今後の国内の半導体の発展に大いに期待したいものです。
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