半導体不足がアップルの業績に影を落とす理由とは

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アップルが2021年7月~9月期の売上高を発表し、事前の市場予想を下回る結果となりました。

理由の1つが半導体不足による供給不足があり、株価は一時5%も下落しています。

しかし、アップルは自社で半導体を設計し、安定調達に努めていたはず。では、どうして半導体が不足し、業績に影を落とすまでに至ったのか?

その理由について解説します。

化学工学人
化学工学人

この記事はこんな方にオススメです。

  • 半導体不足の影響について知りたい方
  • この先のアップルの業績について知りたい方
  • アップルの半導体の調達について知りたい方

汎用品の半導体が不足している

アップルが半導体不足により、アイフォン13の減産を発表したのはつい最近のことです。

およそ1000万台の減産ということで、影響の大きさを物語っていますが、そもそもアップルは半導体の安定調達に向けて動いていることは、多くの人が知っているところです。

しかし、蓋を開けてみれば半導体不足による減産や思うような売上高を上げられない結果となっています。実はここに半導体を取り扱う難しさが隠されています。

心臓部の半導体は問題なし

アップルが自社で設計しているのは、全ての半導体ではありません。半導体も様々な種類がありますが、その中でも、機器の心臓部と言われる重要な半導体のみ設計しています。

心臓部の半導体を自社で設計することで製品に最も適した半導体に出来ます。また、この半導体は心臓部ですので、製品には必ず必要なものですので、安定調達に気を配っていたわけです。

そのため、アップルでは、この心臓部の半導体については半導体不足には陥っていません。しかし、それ以外の半導体が不足したために今回のような事態に陥ってしまったのです。

汎用品の半導体は外部調達に変化なし

アップルは、心臓部以外の半導体、汎用品の半導体については外部からの調達に変化はなく、これらの半導体は競合していると発表しています。

つまり、世界を揺るがしている半導体不足にアップルも巻き込まれていたわけです。

汎用品の半導体は、古い世代の半導体が主であり、残念ながら、これから設備投資して生産を増強しようというメーカーはほとんどありません世界中で生産キャパが決まっており、その限りあるキャパを多くの企業で競合している構図となっているのです。

様々な半導体で電子機器は成り立っている

スマートフォンを始めとして、様々な電子機器には半導体が使用されています。その半導体も実に様々な種類のものがあります。

例えば、スマートフォンAを作るためには・・・・・
半導体1(心臓部)・半導体2(汎用品)・半導体3(最先端)・半導体4(特殊品)のような形です。

化学工学人
化学工学人

この中の1つでも欠ければ、スマートフォンAは作れません!!

これは何もスマートフォンに限らず、自動車でも電子レンジでもテレビでも変わりはありません。そのため、多くの製品、多くの業種が半導体不足に悩まされています。

強いてあげれば、EV業界の風雲児であるテスラだけは、半導体不足の中でも危機を乗り切り、業績をプラスへ押し上げたことで多くの関係者から賞賛されています。

アップルの業績は年末にかけても苦しい予測

アップルの業績ですが、10月~12月期も厳しい状況が続くと予測されています。10月~12月は商戦期であることから、その影響はさらに拡大すると見られています。

アップルとしても、この状況を打破すべく半導体の調達に向けて動いていますが、残念ながら今のところ需要と供給のバランスが取れる時期は不明だとのことです。

魅力的な製品を数々投入することから、その需要は衰えることを知りませんが、だからこそ半導体不足は大きな影響に繋がっているともいえるでしょう。

アイフォン13についても、入荷待ちの人が多数いますが、この状況は残念ながら当面の間は解決されないと思われます。

半導体は今後も当面は奪い合いが続く

気になる半導体不足ですが、当面は奪い合いが続くでしょう。

既に需要のピークは山場を迎えたという話もありますが、現場ではまだまだ不足しているのは間違いありません。この辺りは、半導体製造側の業績が好調なことも裏付けとなっています。

また、半導体不足は、コロナからの回復も大きく関係しています。

世界中で、コロナからの経済回復の基調が見られつつあります。日本でも、街に活気が戻りつつありますが、併せて様々な需要も復活しています。

それが、更なる半導体需要を呼び込むことになり、半導体不足に拍車をかけているのです。

半導体不足とアップルの業績まとめ

半導体不足によるアップルの業績への影響は、主に汎用品の半導体が原因となっています。

これらの半導体は、他の企業と競合となっており、今後も当面は続く見通しです。

コロナからの回復の兆しもあり、半導体不足は当面も続きそうですので、半導体製造会社には嬉しい悲鳴が続く一方で、アップルを始めとした企業には苦しい状況は続くでしょう。

化学工学人
化学工学人

半導体不足やアップルの業績予測に参考にしてくださいね。

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