半導体不足の中、電気自動車って製造出来るの?
脱炭素社会に向けて電気自動車が盛んに報道されています。アメリカの『テスラ』を始め、ソニーも電気自動車への参入を発表しました。
いよいよ電気自動車の本格的な普及が始まります!
しかし、一方で、半導体不足が世界中で大きな問題となっています。影響を受けている業界は数知れず、自動車産業では減産騒動も起きています。
電気自動車は大丈夫なんでしょうか?
今回は、脱炭素社会のキーデバイスである『電気自動車』と世界を騒がす『半導体不足』の密接な関係について解説します。半導体不足が、脱炭素社会の足かせに!?になる可能性すらあるのです。
脱炭素に向けて普及する電気自動車
脱炭素に向けて様々な施策が行われていますが、電気自動車もその対策の1つです。
残念ながら、日本は電気自動車に普及は他の国と比べると遅れているのが現状ですが、トヨタやソニーが大々的に電気自動車の販売を表明するなど、確実に普及への道は始まっています。
電気自動車が脱炭素に有効だと言われているのは、ガソリン車のように走行に二酸化炭素の排出がないためです。今までガソリンやディーゼルといった二酸化炭素が排出される自動車がメインでしたが、この排出される二酸化炭素に着目が集まっているわけです。
電気自動車と言えば、世界中に様々なメーカーがありますが、販売力、技術力、知名度を加味しても『テスラ』が一番です。日本でも、最近、ちらほらテスラの電気自動車が走っているのを見かけることが出来ますが、今後、ますます増えていくのではないかと思います。
その他、中国のメーカーも進出してきており、既に日本の物流メーカーへの電気自動車の供給を決めています。テスラ・中国メーカーと進出してくる中、日本メーカーの電気自動車がどうなるのかも気になるところです。
中国メーカーの進出方法は実に巧みな戦略になっています。
日本での電気自動車の普及率は?
『普及率0.6%』
これが日本の現実です。
2020年の新車販売数から算出したデータですが、いかに少ないかということが分かります。
2021年も残念ながら日本では電気自動車はほとんど普及は進んでいません。40%増となりましたが、元の普及率を考えれば、まだまだ普及しているとは言えない状況にあるわけです。
海外の普及率は?
海外の普及率ですが、アメリカ2%、ヨーロッパ6%、中国5%程度です。(2020年データ)
日本と比べると10倍以上開きがありますが、とは言ってもまだまだ数%程度です。
これだけ見れば、危機感も薄れますが、注意すべき点は各国の電気自動車の販売台数の伸びです。
アメリカ・ヨーロッパ・中国どこの国においても2021年の電気自動車の販売台数の伸びは100%以上となっています。
電気自動車の販売台数の伸びを踏まえれば、日本はどんどん置いていかれている状況と言えるわけです。今後も各国では多くの電気自動車が販売される一方、日本ではなかなか普及が進まない状況が想像出来るわけです。
この普及が遅れが日本の脱炭素の遅れに繋がる可能性があります。
半導体は電気自動車に必須
半導体不足が世界中で話題になっていますが、自動車を製造する上でも半導体は必須のアイテムです。これは通常のガソリン車だけではなく、電気自動車も同様であり、むしろ、電気自動車の方が、より多くの半導体を使用します。
通常の自動車がおおよそ数十個~100個程度の半導体が必要です。
対して電気自動車は、その倍の半導体が使用されると言われています。
更に・・・・
将来的には、自動運転など様々な技術革新が想定されています。そうなると、必要な半導体数は、更に増えることになり、最終的には数千個の半導体が必要と言われているのです。
現状ですら、半導体不足に悩む中、電気自動車や周辺技術の発達により、さらなる半導体不足に陥る可能性すらあるわけです。
日本の脱炭素は進まない・・・
ただでさえ低い日本電気自動車の普及率ですが、世界の半導体不足も鑑みれば、ますます普及率が上がらないでしょう。恐らく、日本が電気自動車を購入した時には、既に各国から注文が入っており、日本への納車はずっーーーーーーーーーと先ということになるはずです。
電気自動車メーカーもたくさん出る国にたくさん納めたいよね。
脱炭素の要の1つとされている電気自動車ですが、残念ながら日本は脱炭素は進まない状況が続くと言わざる負えないでしょう。電気自動車への切替だけが脱炭素となるわけではありませんが、2035年には内燃機関車の販売禁止を表明したEUなどに比べれば、この分野での遅れは否めません。
脱炭素×電気自動車×日本=後進国!?
日本での電気自動車の普及率が低いとなれば、各国からは避難の的になるでしょう。既にCOP26では、脱炭素後進国のような扱いを受けつつある日本ですが、このまま状況が改善しなければ、脱炭素後進国になってしまうのでは?と思います。
脱炭素では、他にも太陽光発電や風力発電に期待が寄せられています。
しかし、太陽光発電においては、日本は国土が狭く設置出来るスペースが限られています。更に先進国の中では国土に占める太陽光発電の面積はトップクラスとなっており、これ以上の拡大は難しいとされています。
唯一、風力発電については、海に囲まれるメリットを活かし、海の上で発電する洋上発電に期待が寄せられている状況です。
風力発電は、プロジェクトの入札で三菱商事が話題になるなど賑わってきています。
電気自動車と半導体不足のまとめ
日本の電気自動車の普及率は、各国と比べても、その低さが際立っています。
また、政府の対応や電気自動車に必要や環境を踏まえれば、急激な伸びは期待出来ないでしょう。
そういった中、半導体不足は、電気自動車の普及をますます疎外するものであり、これは日本だけではなく、世界中の脱炭素への取り組みの足かせとなるものです。
半導体メーカーは、将来的な半導体の需要を見越し、設備投資を繰り返していますが、世界が目指す脱炭素に追いつくことは出来るのか?今後の脱炭素の行方を占う上で、やはり半導体は絶対に外せないポイントになりそうです。
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